家事や子育てに追われていると、ついついイライラして子どもに当たってしまうことってありますね。ママパパ編集部にも「怒りたくないのに怒ってしまいました」「キレるのは悪いことだってわかっているのに・・・」というような悩みや相談が数多く寄せられます。そこで、今回は「怒りとうまくつき合うコツ」について感情コントロールの専門家である認定専門公認心理師・臨床心理士の吉田直樹先生に聞いてみました。
「怒り」については色々な定義がありますが、心理学の視点からは「怒り」とは本能的な感情の一つになりますね。人として誰しも持っている不可欠な感情が「怒り」であると言えるでしょう。
誰でも怒ることはあります。しかし、適切な目的を持って、ちょうどいいタイミングで、適度に、ふさわしい方法で怒ることは誰にとっても難しい課題です。特に、仕事や家事、育児で忙しいママやパパには非常にハードルの高い課題になりますね。
ダイナマイトの例えがよく使われます。マッチが「怒り」の原因となる引き金にあたる部分で、人や状況、時間、ことばなどです。そして、導火線がこころの反応で、「怒り」を感じた時の、自分の気持ちや考えになります。最後に、ダイナマイトが身体の反応です。「怒り」により頭が熱くなるといった内側の反応と暴言や暴力などの外側の反応に分かれます。
「怒り」を温度計で表してみます。ちょっと肌寒いのが「冷静」の段階です。次に心地よい「平静(普段の状態)」の段階。少し暑くなってくる段階が「イライラ」で、はっきりとした理由がないこともあります。そして、カッカしてくる「ムカつく」段階。一番熱いのが「怒り」が爆発する「キレる」段階です。
まず、自分を客観的に観察する、心理学ではモニタリングと呼びますが、これが大切になります。「怒りの温度計」を参考にして、今の自分の状態は「どの段階なのか?」確認しましょう。そして、段階に応じた、自分に合った対処方法を実践してみましょう。
「イライラやムカつく」段階の時は、掃除や片付けなどの家事がおすすめです。何も考えずに没頭するとストレス発散になる上に家事も片付きます。鏡で今の自分の状態を確認して、メイクアップするのも気分転換になるでしょう。「キレる」段階の時は、その場を離れることが大切です。別の部屋に移動したり、ちょっと散歩に出かけると少し落ち着くことがあります。
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