「玄関の鍵かけたかな?」「電気は消したかな?」など気になって家に戻って確認した経験は誰にでもあるでしょう。しかし、不安やこだわりが強くなると、何度も確認してしまい生活に影響が出てしまうことがあるようです。ママパパ編集部にも、妊娠や出産後、「赤ちゃんに菌が付かないか心配で何度も手を洗っています」「感染症が怖いので何でも消毒しています」「赤ちゃんが何か飲み込んでしまうのでは?と考えて何度も掃除機をかけます」などママやパパからの悩みが寄せられます。そこで、今回は、強迫性障害のカウンセリングに長年取り組んでいる公認心理師・臨床心理士の吉田直樹先生に聞いてみました。


「外から持ち込むモノは汚いんじゃないか」などの考えが繰り返し頭に浮かんできます。そして、何でも消毒をしたり、何度も繰り返し消毒をしてしまいます。頭では必要ないとわかっているのですが、やめられず、結果的に仕事や子育て、家事などに影響が出ていれば、強迫性障害(OCD)の可能性があります。早めにカウンセリングを始めるほど回復も早いと言われているので、無理をせずに早めに専門機関に相談しましょう。妊娠・出産後、発症される方も少なくありません。

強迫性障害(OCD)には「強迫観念」と「強迫行為」の2つの症状があります。「強迫観念」とは、頭から離れない考えのことで、その内容が「不合理」だとわかっていても頭から追い払うことができません。また「強迫行為」とは、強迫観念から生まれた不安にかきたてられておこなう行為のことです。自分では「無意味」「やりすぎ」と自覚してもやめられません。この場合は、「生肉は危ない」というのが強迫観念で、「手洗い」や「夫への確認」が強迫行為になります。

確かに、発症には性格も一部関わっているのですが、カウンセリングや薬物療法などで改善が期待できる病気です。発症には、性格のほか、生育歴やストレスなど多種多様な要因が関係していると考えられています。「せずにはいられない」「考えずにはいられない」などつらくなったり不便を感じる場合は、改善への一歩を踏み出すことをお勧めします。

強迫性障害(OCD)の方は、長年、不安や不合理な考えを、だれにも相談できず抱えている場合が多いので、強い不安や抑うつ症状からうつ病や不眠症などを併発していることもあります。そのような場合は、薬物療法により不安や抑うつ症状の改善が期待できます。一方、カウンセリングでは、「強迫観念」と「強迫行為」への根本的な改善にアプローチしていきます。具体的には、「強迫観念」と「強迫行為」の悪循環を防止するために専門的な認知行動療法である曝露反応妨害法をおこないます。曝露反応妨害法は、この負の連鎖を断ち切るカウンセリング方法であり、大きな効果を持つことが実証されています。

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