いよいよ夏休みですね。海や山、国内や海外など子どもと家族旅行や里帰りを予定している方も多いことでしょう。そこで今回は、ストレスフルな夏休みを上手に過ごす方法について公認心理師・臨床心理士の吉田直樹先生にお聞きしました。
厚生労働省の調査によると、労働者の約半数近くが、ストレスを抱えていることがわかっています。特に30〜40代に多く、男性よりも女性がストレスを抱え込みやすいようです。また、成人と同様に子どももストレスを感じているという研究結果も出ています。子どもも保護者も、普段からかなりのストレスを抱えているので、
ストレスフルな夏休みには注意が必要なのです。
家庭や職場などでの人間関係がストレスの原因になっていることは皆さんご存知でしょう。しかし、「暑い」「寒い」など物理的な変化や、「出産」や「昇進」など
喜ばしいことも、ストレスの原因になっていることはあまり知られていないようです。自分の日常生活に少しでも変化をもたらす出来事や環境の変化は、すべてストレスの原因になる可能性があります。したがって、自分自身や子どもの
ストレスの原因に気づくことが第一歩でしょう。
「子どもと過ごす時間が多くなる」「実家への帰省」「たまにしか会わない親戚との食事」「家族旅行」「夏休みの宿題」…よくある夏休みの出来事は、すべて日常生活とは異なるものです。つまり、
夏休みは、ストレスの原因になる非日常的な出来事が、次々と私たちに降りかかってくるのです。夏休みが終わると、親も子どもも「何かホッとする」というのも納得できますね。
身体的な疲れを、子どもも親も蓄積しないことが大切です。疲労回復のために、適度に休みを入れましょう。
楽しくても欲張らないことがコツです。また、身体的な疲労が重なると感情的になります。例えば、旅行では、ささいなことで嫌な気持ちになったり、渋滞でイライラすることもあるでしょう。家庭では、普段のように家事などをしていてもエネルギーをひどく消耗します。したがって、ゆっくりとしたスケジュールにしたり、ちょっとした余裕を持つことが必要です。たまには、子どもと離れて、お互いに自分だけの時間を作り、
気持ちを切り替えることもおすすめです。
夏休み中は楽しいことがたくさんありますが、夏休みの後に副作用として様々なマイナスのことが起こることがあります。例えば、学校でよく見かけるのが、生活リズムが崩れすぎると、朝起きるのがつらくなり、整えるのに2週間はかかります。9月になり授業中ウロウロしている子どもは、家であまりに自由にしすぎていたことが原因です。ゲームをしすぎると依存的になり、体育の時間でもゲームが頭から離れません。夏休みのスケジュールが詰まりすぎていると、9月は疲労がとれなくて身体症状に発展することも!
子どもも親も「やりすぎ」には注意して、お盆過ぎからは通常の生活に戻して準備を始めましょう。
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