前回は「ゲーム依存症」の基本的な質問に公認心理師・臨床心理士の吉田直樹先生に答えてもらいました。「ゲーム依存症」には読者の皆さんからの反響がすごくて、さらにいろいろな質問をいただきました。ゲームやネットと子どもとの関係は切っても切れません。そして、子どもがゲームを適切に使うには親のアドバイスが欠かせません。その際には、ぜひ参考にしてくださいね。
世界保健機関(WHO)は、「ICD-11」において、「Gaming disorder(ゲーム障害)」を新たに分類項目として明記しました。ゲーム依存症は、小・中・高・大学生にもっとも多く認められ、その数は増加の一途で、家庭や医療など包括的な対策が必要になっています。第2回目は、家庭でのゲーム依存症の予防に関する質問に答えていきます。
ゲームにはルールを決めることが大切なのはわかります。具体的にはどのようにルールを決めたらいいのでしょうか?
「ゲーム依存症」の予防のためには、ゲームの過剰使用をさけることが大切になります、そのためには、ゲームをする時間を決めることからルール作りを始めてみましょう。まず、ゲームの使用時間を設定したら、必ず終了時間も決めておくことが大切です。子どもが守りやすいように、宿題が終わってから夕飯までの時間など大まかな時間帯でもいいですよ。重要なのは、子ども自身が納得できるルールを決めることです。子どもが納得できていなければ、「守る」「守らない」で親子でもめてばかりになりますから。
小学校高学年の娘なのですが、最近は食事が終わったら、すぐに自分の部屋に行ったっきりです。ゲームやネットばかりしているようなのですが・・・。
ゲームの使用時間とともに大切なのが、使用する場所を決めることです。ゲームは、家族の目があるとブレーキがかかりやすいので、なるべくリビングなどで使用するように約束するといいでしょう。また、食事や入浴、ベッドや勉強などゲームやネットをしない場面を明確に決めておくのもおすすめです。高学年や中学生になると時間の管理が難しくなるので、タイマーを利用したり、使用時間をお互いにチェックすることをルールにしてもいいでしょう。
クリスマスやお正月が近づいてきて、ゲーム機やタブレットを欲しがっています。子どもに買うときのポイントはありますか?
クリスマスプレゼントだと、サンタさんから子どもへということで所有権が子どもになってしまいます。やはり、ゲーム機やタブレット、スマホは、パパやママが貸し出すという形をとることが大切になります。所有権はパパやママにあるので、使用するルールを守らない場合には、返してもらうという理屈が通りやすいでしょう。また、パスワードや保護者機能の設定、フィルタリングなどでゲームやタブレットを管理することも、子どもに納得させやすくなります。また、ゲームなどを買い与える時は、ルールを設定する決定的なチャンスです。しっかり話しあってルールを決めましょう。
これまでにゲームやネットのルールを決めているのですが守れません。ゲームのことで、いつも親子でケンカになってしまいます。どうしたらいいのでしょうか?
ルールが守れないのは、子どもがルールについて納得できていなかったり、親との認識がズレていることがほとんどです。本人が理解して納得するまで、親子で話し合うことが大切でしょう。親のルールを押し付けることなく、子どもの意思や考えも尊重しながらルール作りをしましょう。そして、守れない時には、ゲームの使用時間を減らすなどのペナルティも決めて確実に実行してください。
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