教えて直樹せんせい 育児情報誌ママパパ

「すべき思考」からの解放 (2022年3月・4月号掲載)

新しい年度を迎え、入学入園、新学期への対応、自分の再就職や転勤など、ママやパパにはバタバタ忙しい時期ですね。ママパパ編集部には「家に帰ってからちょっと座る時間もない!」など様々な子育ての悩みが寄せられます。そこで、今回は、このような多忙な時期に、ちょっとでもゆっくりできるコツとともに、スクールカウンセラーとして20年のキャリアを持つ公認心理師・臨床心理士の吉田直樹先生に聞いてみました。

長女の小学校の入学を控えています。子どもも私も、何か落ち着かず、お互いにソワソワしています。どうしたらいいのでしょうか?

初めての小学校入学の場合、子どもも保護者も、ワクワクして楽しみな反面、ドキドキ不安を感じることがあります。そして、子どもが不安になれば保護者も不安になったり、保護者が心配になればなるほど子どもも心配を感じるといった、相互作用や相乗効果があるようです。したがって、まずは不安な気持ちをお互いに認めて、落ち着くことが大切になります。登下校の道を親子で一緒に歩いたり、朝の準備の順番を考えたり、おフロでゆっくり話をするのも効果がありますよ。

仕事から帰宅すると、家事や育児などやることが満載で、頭がいっぱいになってしまいます。子どもともゆっくり話す気持ちにもなれません。

家事や育児は、一つの仕事がやっと終わったかと思うと、すぐにまた次の仕事がやってきます。しかし、「これもしておかないと」「あれもしなきゃ」と焦れば焦るほど際限のない終わりのないループに迷い込んでしまいます。そこで、仕事から帰る前に、ちょっと立ち止まって、ホッと落ち着く自分だけ時間を作ってみましょう。5分でも10分でも、駐車場の車の中でもいいです。お気に入りの音楽を聴いたり、好きな飲み物やスイーツを楽しむのもおすすめですね。こころの余裕がちょっと回復すると、今、やるべき優先順位が見えてくるでしょう。

「今日、この洗濯を終わらせておかないといけない」「洗い物をしておかないと、明日の朝、大変なことになる」などとつい思い込んでしまい自分が苦しくなってしまいます。そんな私に夫はややあきれ気味です。どうしたらいいのでしょうか?

「~しなければならない」と考えたり、「~しないと落ち着かない」というのは自分の考え方や捉え方の偏りから生じます。このような認知の歪みは「すべき思考」と臨床心理学では呼ばれます。自分の基準にそぐわないとすごくストレスを感じたり、絶対的な価値観が強すぎて家族だけではなく他の人とも折り合いが付きにくいことが特徴です。不安や心配は、私たちのこころや身体を守るために備わった感情なのですが、過剰になるとつらくなったり、自分で自分を苦しめることにもなるので注意しましょう。

「子どもが三歳になるまでは母親は子育てに専念すべき」「六歳までの母親の関わりが子どものコミュニケーション能力に悪影響を及ぼす」など、ネットの情報にすごく影響されちゃいます。自分の子育てにも右往左往してしまい、自信がなくなっていく気がします。

「三歳児神話」は、「子育ては母親の役割だ」という考え方と、イギリスの精神分析家ボウルヴィの愛着理論の研究が結びついて、日本では1960年代の高度成長期に「三歳までの子どもは母親が育てるべきだ」という間違った神話が広まったと言われています。子育てには正解がなく、親も完璧ではありません。したがって「もし育児に失敗してしまったら?」と不安になり、何かに頼りたくなり、ネットやセミナーなどでの育児に関する神話や法則に、つい飛びついてしまうのです。しかし、そのほとんどは、科学的に根拠が乏しかったり、三歳児神話のように都合のいいように解釈されて広まっているのが現実です。また、パーフェクトな親より、子育ても多少失敗している親の方が、子どもにとっては楽なこともあります。「誰にでも失敗はある」とわかっている親だからこそ、子どもの失敗にもこころから寄り添い、自分の不安にも飲み込まれず子育てを続けられるのだと思いますよ。

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