入学を前に「私が小学校に入学するようで落ち着きません」「友達やお勉強、給食のことなど、心配が止まりません」などなどいろいろなことが不安になるようです。そこで、今回は、スクールカウンセラーとしての長い経験を持つ、認定専門公認心理師・臨床心理士の吉田直樹先生に、読者の皆さんの質問に答えてもらいました。皆さん、参考にしてください。
小学校に入学した児童が「集団行動がとれない」、「授業中に座っていられない」、「先生の話を聞かない」など学校生活になじめないことを「小1プロブレム」と言います。現状を考えると、どの学校、どの子どもに起こっても不思議ではありません。しかし、あまり親が不安になったり敏感になると、それが子どもに伝わるので注意が必要です。まず、学校生活を送るのにストレスにならないように、家庭での規則正しい生活の確立を心がけましょう。特に睡眠やバランスの取れた食事、運動は欠かせません。そして、子どもも入学前は心理的に非常に不安定になりますので、親子のふれあいを欠かさないことが大切になります。一緒に体を動かして遊んだりお風呂に入ったり、小学校までの通学路を歩いてみるのもおすすめですね。
子どもにとって小学校へのハードルは、親が思っている以上に高いものです。30人ほどの集団になり、時間割通りに動かなくてはいけません。そして、「学校や学級のルールを守る」「先生の指示を聞いて行動する」など様々なことが子どもに求められます。このような場面でのキーワードが「自分で行動する」です。「ルールを意識する」「指示を理解する」など、小学校ではすべて自分で考えて行動することが必要になります。家庭でも、受身ではなく自ら考えたり行動する練習をしておくことが大切でしょう。
幼稚園や保育園ではうまく適応できていた子どもが、小学校に入学し集団生活を始める問題を抱えてしまうことは決して珍しくはありません。発達のステージが一つ上がるので、そこで求められるものも当然レベルアップします。環境に慣れて適応できるようになれば問題はないのですが、以下のような場合には、発達特性の問題も疑われますから、早期の対応が必要です。適切な時期に必要な対応がないと、頭痛や腹痛などの身体症状、不登校や暴言・暴力、無気力などの心理的症状を起こす可能性もあるので注意しましょう。
こんなことありませんか?
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