「うちの子、友達との付き合いが苦手だから…」「社会に出てから、ちゃんと周りと協調してやっていけるかな?」「集団とかチームプレイ、避けるんだけど大丈夫?」などなどママパパ編集部にも社会性やコミュニケーションについて悩んだり困っているママやパパからの相談が増えています。そこで、今回は社会性やコミュニケーションを伸ばす心理教育を長年実践したりサポートしている公認心理師・臨床心理士の吉田直樹先生に聞いてみました。
1才と3才の娘がいます。共働きのため帰宅が遅くなるので、食事やお風呂などバタバタして、9時には何とか寝かせつけるようにしています。食事の時間が社会性を育てるのに重要だと聞いたのですが、わが家では、まず子どもに食べさせてから親は後で食事をするようにしています。このままでいいのでしょうか?
共働きで小さいお子さんがいると、夕食から寝るまで、ちょっと休むヒマもなくて大変ですね。しかし、社会性やコミュニケーションという視点で考えると食事の時間は大切になります。 ただ、親は子どもの食事の介助をするだけで、自分は後で夕食をとるという家庭が増えているのが現実のようです。 では、なぜ大切なのでしょうか?子どもにとって食事は、身体に必要なエネルギーを摂取するとともに、心のエネルギーも吸収する場でもあるのです。例えば、1才のお子さんであれば、ママとニコニコ笑顔で食事をすることで、心には安心感が芽生えるでしょう。また、3才の子どもであれば、パパと一緒のおかずやご飯を食べて「おいしいね」などと会話を交わすことで、同じ楽しい気持ちを共有する共感力につながっていくのです。食事は、子どもの社会性やコミュニケーションを伸ばす場でもあることをちょっと意識すると、楽しい食卓がより親子にとって有意義な時間になるでしょう。
もうすぐ3才になろうとする息子なのですが、まだことばがでないので心配しています。落ち着きがなくて、園の先生の言うこともあまり聞けないようです。社会性やコミュニケーションは大丈夫なのでしょうか?
一般的に、2才を過ぎると「ママ だっこ」「ワンワン いる」といった二語文を話す子どもが多くなってくるので、発語がなく、理解もどうかな?という場合は、言語面の発達の遅れが気になるところです。では、どのような対応が必要なのでしょうか?例えば、食事の場面であれば、子どもがお茶を手を伸ばしたら「お茶が飲みたいね」、ご飯を食べようとしたら「ご飯食べよう」などと子どもが興味や関心を示したり、行動することに対して、親が代わりにことばにしてあげましょう。ただ、「ことばを教える」のではなく、あくまでも「子どもの行動や意思をことばにする」ことを心掛けるようにしてください。また、先走ることも禁物です。子どもの心に寄り添うことを大切にしましょう。
その他の記事
-
「起立性調節障害」について(2024年9月・10月号掲載)
長い長い夏休みが終わり、やっと日常が戻ってきてママやパパもホッとしてる頃ではないでしょうか?「朝、起きれなくて困っています。毎日、遅刻ギリギリ!」「1学期までは何とか起きれていたのに、朝からボーっとし ...
-
気づいていますか?自分の認知の歪み(2024年5月・6月号掲載)
子どもは進級や入学・入園、ママやパパも異動や職場復帰などなど「新しい環境でがんばっています」という読者の皆さんからのおたよりがママパパ編集部に寄せられます。そこで、やっぱり難しいのが人間関係のようです ...
-
「人前での緊張や不安」について(2024年3月・4月号WEB版掲載)
入学や入園のシーズンです。子どもたちにとっては、ウキウキワクワクですが、ママにとってはママ友作りや新しい担任の先生との関係などなど、右往左往してしまうようなストレスフルなことが多くなる時期ですね?そこ ...